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正しいお手本とは?

書道を学んでいる人なら、好みの書体や書風があると思います。私は昔、初唐の三大家の顔真卿(がんしんけい)の書が好きでしたが、今は宋の四大家、米芾(べいふつ)の書が好きです。長く学んでいくと好みも変わっていくと思います。人それぞれ好きな書体や書風で良いと思いますし、全ての人が同じお手本で習う必要は全くないと考えています。個性を大切にしていただきたいと思いますし、また、様々な古典や書に出会いたくさんの作品を見ていただきたいと思っています。習字では起筆(書き始め)が45度が美しいとされているのに対して、古典では様々な角度です。他には点画の省略、筆意、筆致、筆法、筆勢・余白の美など、書道を学ぶ上で欠かせない芸術性が学べると思います。理想は5書体(楷書・行書・草書・隷書・篆書)全て学べば筆使いが圧倒的に上達します。書道を学ぶ上で大切なことはまずはお手本を臨書(古典をお手本にして書く)されることだと思います。このブログでは理想的なお手本についてお伝えしたいと思います。

学びたいお手本とは

書道が初心者の方にも、こんな字を書きたいという思いはあると思います。
私はその「この書が好き」という気持ちを大切にしたいと考えています。
無理に好きではない書を練習しても上手くならない上、モチベーションが続きません。
私にも経験がありますのでお気持ちはとても理解ができます。

一番最初は楷書の九成宮醴泉銘から学ぶのが王道ではありますが、この時代のこの作品から、ではなくても良いと思います。
おすすめは楷書、行書、草書の順で学んでいくという流れですが、流麗な書がお好きなら、行書・草書で流れる線を学び、
それから仮名を学ぶのも良いと思います。
一番習得したい所へ向かって学んでいくと上達が早いです。
ご自身が習いたい文字が美しく書かれた正しいお手本を元に学んでいただきたいと思います。

理想的なお手本とは

お手本と一つとっても、お子さんの課題のお手本から古典のお手本、漢字、細字、手紙文、仮名等様々なものがあります。
古典ならその字の形・大きさ・バランス、はねや払い・余白との調和が忠実に書けているのが理想的なお手本です。
線質もとても重要で、様々な美しいお手本を参考にして頂きたいと思います。

また、ご自身が習う先生のお人柄が好き、この先生から学びたいという気持ちで練習されていると思います。
そんな気持ちを大切にして、書道を学んでいただけたら筆使いなど早く技術が身に付きます。


お手本のどこを参考にして書くべきか

前述の通り、お手本を見て参考にしていただきたい所は点画(はねや払い)・線の太細・文字の形バランス・余白です。
初めて書道をされる方は文字が大きくなりがちですので、摸書(敷写す)をしていただくと文字の大きさがわかりやすいのでおすすめです。
筆使いですが、お手本を見るだけではわかりにくい所も出てくると思います。

ポイントを先生に指導していただき、筆使いを参考にしていただくと良いです。
文字を書く際に外せないポイントがあるので、そのポイントを押さえて学んでいただきたいです。
右払いに関しましても書道が初めての方は、筆を紙面に押さえつけると思われる方が多いですが、
筆の開閉で太さが出ています。線の太細も非常に重要なポイントです。
そのように細かい所までお手本を見て学びながら、指導を受けるのが理想です。

理想のお子さんのお手本とは

お子さんのお手本も先生によって様々です。
学校で習う文字は書写になりますので、起筆(書き始め)やはねの角度は斜め45度など、正しい文字が書かれたお手本が理想のお手本になります。
(書道は芸術性が求められますので別物です。)
正しい文字を書くということが共通の認識ですが、先生の書風があると思います。
大人のような美しい線や文字、子供らしい太い線の文字。教室選びをする際に、先生の書も見て検討するのが良いと思います。

お子さんが書きたくなるお手本とは

お子さんから「書道を習いたい」と言って書道を習い始めるということは少ないように感じます。
私の教室でも非常に少ないです。大抵が親御さんの勧めです。
お子さん自ら習いたくて学んでいるわけではないので、モチベーションを維持するのが続ける秘訣です。
先生の文字が好きという気持ちではないと思うので、いかに先生がお子さんの書きたくなる気持ちを起こすかによると思います。
「きれいね。やっぱり先生ってすごいね」
と思われる字を書かれるのが理想だと思います。お子さんも字を見て感じる所があります。

お子さんが成長段階の今習う文字は将来にも影響し、非常に重要だと考えています。
初めて習う文字は特に大切で、生涯にわたって書かれます。
文字はその人となりを表すと言われています。
また、美しい文字は好印象であり、品格が上がります。
線質・はねや払い・文字の形・バランスを正しく書き、美しい文字が書けるように、またそれが書きたくなるようなお手本を書くということが大切です。

このようにお手本一つとっても学ぶ側にとっては大切なことで、心と目で感じて書く、そこで重要なのが先生の忠実な書作です。
美しい文字を丁寧に書かれたお手本を、受講生もしっかりと認識して学び、互いに成長し皆さんと共に高めていきたいと考えています。

本日はこのブログをご覧いただきましてありがとうございました。

神戸市須磨区
麗墨書道教室